3連休の初日。
朝、スーツケースを引いてドアを出る瞬間、
もっちゃんが「バイバイ〜!」と元気に手を振ってくれた。
その笑顔がまぶしすぎて、
胸の奥が、きゅっと一瞬だけ縮んだ。
涙が出るほどじゃない。
でも、呼吸がほんの一拍遅れるような、
そんな“寂しさの波”が確かにあった。
「私、いま大事な存在を置いて出発してるんだな」
そう思ったら、
スーツケースの転がる音が、
いつもより少し大きく聞こえた。
仕事自体は、驚くほど穏やかに進んだ。
準備してきたことも、運の良さも重なって、
今回はわりと心に余裕を持って臨めた気がする。
それでも、仕事とは少し離れたところで、
考えてしまうことはあった。
少し前にあった、振り返りの時間。
自分なりに考えてまとめた内容を持って臨んだけれど、
気づけば「より整った形にすること」が
目的になっているように感じた。
もちろん、形を整えることは大切。
でもその中で、
自分が何を感じて、どう働いていきたいのか、
そういう“中身”はどれくらい伝わっているんだろう、
と少しだけ虚しくなった。
この仕事は、
人との調和がとても大きな比重を占める。
空気を読むこと。
波風を立てないこと。
その塩梅を掴むのは、正直得意なほうだと思う。
でも、本音を言えば疲れるし、
ときどき、面倒だなとも思う。
合わせることでうまくいく場面も多い。
それでも、
「これって本当に必要な努力なのかな?」
と立ち止まる瞬間が、最近は増えてきた。
もっちゃんが生まれてから、
自分の中の優先順位は確実に変わった。
昔は考えもしなかった選択肢が、
今はちゃんと、心の中にある。
家族がいることは、
私にとって何よりの幸せで、
そして「無理をしなくてもいい」と思わせてくれる
大きな安心材料でもある。
それでも、まだ答えは出ていない。
仕事を続けたい気持ちも、確かにある。
空を見上げながら、今日も思う。
「次のバイバイの朝は、もう少し軽い気持ちで出られたらいいな」って。

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